高圧ガスの種類

宇宙開発

宇宙開発では、ロケットの燃料として 液化水素 が、また支燃材として 液化酸素 が使われています。液化水素配管の置換ガスや液化水素の押し出しガスに ヘリウム が使われています。衛星の姿勢制御エンジンの噴射ガスとして キセノン が使われています。

ヘリウム [He] 酸素[O 2 ] 水素[H 2 ] 希ガス[Rare Gases]


製紙

製紙分野での産業ガスの利用は、主に木材チップからの不純物の除去やパルプ漂白、更には排水処理用として大量の 酸素 が使われています。更に、塩素に代わって オゾン の漂白力で漂白するオゾン漂白が今後期待されています。

窒素 [N 2 ] 酸素[O 2 ]


土木・建築

酸素 ・ 窒素 ・ 炭酸ガス ・ アセチレン 建設現場での鉄筋溶接向け酸素・アセチレンが使われています。高度化・複雑化する現代土木・建設技術においては、コンクリートクーリングや土壌凍結での 液化窒素 の使用や、トンネル工事などで アルカリ性排水中和用として炭酸ガス を使用するなど、産業ガスは大きな役割を担っています。

酸素[O2]窒素[N2]アルゴン[Ar] 炭酸ガス[CO2]溶解アセチレン[C2H2]


機械・金属加工

機械・金属加工分野では、溶接・切断と言った加工用に 酸素 ・ アセチレン ・ アルゴン ・ 炭酸ガス ・ 混合ガス などが用いられています。又、熱処理の際の雰囲気ガスとして 窒素 、 水素 などが用いられています。

酸素[O2]窒素[N2]水素[H2]アルゴン[Ar]炭酸ガス[CO2]溶解アセチレン[C2H2]ヘリウム[He]


原子力

日本の電気エネルギーは火力・水力・原子力が中心となっています。中でも総発電量の1/3以上の割合を占めているのが原子力発電です。原子力発電において産業ガスは原子炉のシール、配管設備検査時などのパージ、検査用に 窒素 や ヘリウム が使われています。また、原子炉操業安全確認のための標識ガスとして クリプトン や キセノン が使われています。

窒素 [N 2 ] 特殊ガス[Specialty Gases] ヘリウム[He]


エレクトロニクス

半導体の製造工程での産業ガスの利用は、バルクガスと特殊材料ガスに分けられます。バルクガスには、 窒素 ・ アルゴン ・ 水素 ・ 酸素 ・ ヘリウム が含まれ、窒素は各種パージ、キャリア、保安用向けに、水素・アルゴン・ヘリウムは特殊材料ガスのキャリア向けとして使われています。また特殊材料ガスは @ ケイ素系ガス A ドーピング系ガス B エッチング系ガス C CVD材料ガス D クリーニング系ガスとして様々なガスが使われています。管球封入用としては、一般電球、蛍光管にアルゴン・窒素をベースにした混合ガスが用いられ、ネオン管や液晶バックライト用混合ガスとして一般管球の一部で ネオン が使われ、 クリプトン はクリプトン球と自動車ライトとして用いられるハロゲン球に用いられます。液晶ディスプレイ用としてはベント・パージ・キャリア用として窒素が大量に使用されています。また、プラズマCVD工程では多様な 特殊ガス が使用されています。

窒素[N2]酸素[O2]アルゴン{Ar]水素[H2]特殊ガス[Specialty gases]ヘリウム[He]希ガス[Rare gases]


医療

 

吸入用酸素 、 在宅呼吸用酸素 、麻酔用の 亜酸化窒素 に始まり、 MRI装置用に 液化ヘリウム 、希ガスの キセノン (Xe)はX線CTスキャン用に用いられています。また、保育器や無菌室用に、不純物のない酸素と窒素を安定的に混合されて、 人工空気 として用いられています。

酸素[O2]窒素[N2]亜酸化窒素[N2O]ヘリウム[He]炭酸ガス[CO2]希ガス[Rare gases]


化学・薬品

 

化学の分野では、化学品の製造での酸化反応工程に酸化剤として多くの 酸素 が使用されています。また 窒素 は、不活性の性質から石油化学プラント等でのパージ用や保安用、化学品の酸化防止用に用いられています。 水素 は石油精製時の水素化脱硫用および化学原料として使われています。

ヘリウム[He]アルゴン[Ar]酸素[O2]窒素[N2]特殊ガス[Specialty gases]水素[H2]炭酸ガス[CO2]溶解アセチレン[C2H2]


自動車・船舶

 

自動車の車体や船舶の船体などは鋼板を切断・溶接し組み立てられています。これらの鋼板を切断する方法としては ガス切断 や レーザー切断 等が用いられています。ガス切断では、燃料としての アセチレン 等と支燃材としての 酸素 を混合させた燃焼炎が用いられます。また、レーザー切断では ヘリウム 、 窒素 、 炭酸ガス が用いられます。これらの鋼板を溶接するためには、酸化を防止するためのシールドガスとして炭酸ガス、 アルゴンヘリウム 等が用いられています。

アルゴン[Ar]酸素[O2]窒素[N2]特殊ガス[Specialty gases]炭酸ガス[CO2]溶解アセチレン[C2H2]


鉄鋼・非鉄金属

 

酸素 は高炉に富化酸素として供給され、燃料の節減操業時間の短縮、出銑率の向上に役立っています。また製鋼用には転炉・電気炉に酸素吹き込みが行われ脱炭・脱硫・脱燐などの不純物の除去に大量に使われています。 窒素 は金属の熱処理の際、熱処理炉内部の雰囲気として使用されています。

アルゴン は金属の精錬、溶解金属の不純物の除去および酸化防止用として使用されます。

アルゴン[Ar]酸素[O2]窒素[N2]水素[H2]炭酸ガス[CO2]溶解アセチレン[C2H2]


農業・バイオ

 

グリーンハウスに吹き込み植物の成長を促進し収穫の増量をはかるために 炭酸ガス が、穀物や果物貯蔵における雰囲気コントロールなどに炭酸ガスや 窒素 が用いられます。また、血液や細胞組織の低温貯蔵、動物の精液保存などに 窒素 が利用されています。

窒素[N2]炭酸ガス[CO2]


公害防止・廃棄物処理

 

地球環境の保全が強く叫ばれる中で、 酸素活性汚泥法 による排水処理、ごみ焼却・溶融での 酸素燃焼 による ダイオキシン等の低減 、 酸素 と 水素 を使った燃料電池、塩素に替わる酸素や オゾン によるパルプ漂白、石油精製での硫黄分除去の為の水素使用、などと産業ガスの利用は環境保全に大きなウェイトを占めています。

酸素[O2]窒素[N2]特殊ガス[Specialty gases]炭酸ガス[CO2]


食品

 

食品分野での産業ガスの利用は、主に食品の冷却、酸化防止、品質管理の面で関わっています。冷却では 液化炭酸ガス や 液化窒素 が、また食材の保冷材として ドライアイス が使われています。酸化防止では食材の包装パックに 窒素 や 炭酸ガス が封入されています。また炭酸ガスは、炭酸飲料の清涼剤として、生ビールの押し出しや エアゾールの噴射剤 として使用されています。

窒素[N2]炭酸ガス[CO2]


海洋開発

 

身近な所では、 潜水用空気 がボンベに入って用いられています。また、深海探査などでは、 酸素 をベースに深度に応じて窒素、 ヘリウム 、 水素 などを混合して用いられています。

ヘリウム[He]酸素[O2]窒素[N2]


超電導

 

超電導とは、ある種の金属が超低温の状態で電気抵抗が0になることであり、超電導の利用や応用には −269 ℃ という超低温の液体ヘリウム が不可欠です。リニアモー ターカーやNMRの超電導マグネット冷却用にも、ヘリウムが利用されています。また、 液化窒素 は液化ヘリウムの蒸発を抑える補助冷媒として使用されています。

ヘリウム[He]窒素[N2]


窯業・ガラス

 

ガラス・窯業などでは溶解、精練、焼成に 純酸素 を支燃剤とした燃焼方法が用いられています。また、板ガラスの製版工程のフロート法で 窒素 と 水素 が用いられています。石英ガラスには酸水素炎バーナで溶融することから水素と酸素が用いられます。光ファイバー製造では、 水素 と ヘリウム が用いられています。

ヘリウム[He]酸素[O2]窒素[N2]水素[H2]溶解アセチレン[C2H2]


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